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男女問わず超重要!若返りの源『テストステロン』を増やす食べ物

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はじめに

誰しもなるべく健康に長生きしたいと思うものでしょう。いつまでも若々しく元気に過ごしたいですよね。実は、老化にはホルモンが大きく影響していると考えられています。

ホルモンの中には体を若々しく保つ働きをするものがあり、これらが加齢に伴って減少することで老化が進むということです。このようなホルモンを「若返りホルモン」と呼んでいます。若返りホルモンにはテストステロンやエストロゲン、DHEA、成長ホルモンなどがあり、これらの分泌量が早く低下すれば年齢よりも老けて見えてしまいます。そこで、この記事では若返りホルモンの中から「テストステロン」に焦点を当て、テストステロンを増やす方法を考えることでいるまでも若々しくハツラツとした生活を送るヒントを探していきましょう。

テストステロンの役割

テストステロンの役割

テストステロンを増やす食べ物について見ていく前に、テストステロンとは何か、どのような役割をしているのかについてご説明します。

骨格・筋肉の成長促進

テストステロンは男性ホルモンの1つで、筋肉質な体つきや強い骨といったいわゆる「男性らしさ」を作る重要な性ホルモンです。もちろん適切な食事と運動が大前提となりますが、テストステロンは骨格や筋肉の成長に重要な役割をしています。思春期の男の子が急に身長が伸びてがっしりとした体つきになるのには、男性ホルモンの増加が関連しています。

ここで注意していただきたいのが、身長が伸びないからと言って男性ホルモンを多く摂れば良いという問題ではないということです。思春期の体では、男性ホルモンと成長ホルモンがうまくバランスを取りながら働いています。これらのバランスは絶妙で、男性ホルモンが多すぎるとかえって骨の成長が止まってしまったり成長のバランスが崩れてしまったりします。

また、運動選手では筋力や持久力を増強させるためにテストステロンを使用しドーピングを指摘されることがあります。テストステロンは長期にわたって過剰投与すると、肝臓や腎臓、心臓に副作用が出ることもあり危険なので、テストステロン補充療法をする場合には医師の監督のもと定期的な検査をするようにしましょう。

造血作用

テストステロンが分泌されると、造血作用が促進します。65歳以上の男性が訴える貧血のうち、20〜30%が男性ホルモンの分泌低下によるものだと考えられており、テストステロンが血液を作る上で重要な役割をしていることが分かります。

テストステロンが造血作用に影響を及ぼすメカニズムについては複数の考え方があります。まず、テストステロンが直接造血細胞に作用して、増殖や生存を促すというものです。他に、赤血球の産生を促進するエリスロポエチンの作用を増強して赤血球を増やす、赤血球の重要な成分である鉄の代謝を担うヘプシジンの働きを抑えて赤血球が壊されないようにすると考えている人もいます。

赤血球が増えると全身に酸素を運びやすくなるので、運動能力が強化されます。このように、テストステロンは筋肉の成長促進以外に赤血球増加という観点からも身体能力を高めることができると考えられています。

性欲・性衝動の亢進

テストステロンは性ホルモンの一種で、性欲や性衝動にも密接に関連しています。異性を惹きつけるフェロモンを発生させたり、ドーパミンという興奮性の脳内神経伝達物質を増やしたりします。また、骨盤神経に働きかけて勃起を誘発するなど、男性が性交を行うために必要な「興奮」「勃起」というスイッチを入れる役割を担います。

ここまで読んで、テストステロンは男性らしさを作るホルモンで、男性だけに働いているという印象を受けた人もいるでしょう。テストステロンはひげや声変わりにも関係していると言われており、女性には必要ないのではないかと感じるのも無理はありません。しかし、テストステロンは男性専用のホルモンではありません。男性に比べると1/10〜1/20と少ないですが、女性でもテストステロンが分泌されていることが分かっています。では、テストステロンは男性らしさを作る以外にどのような働きを持っているのでしょうか?

やる気・気力の向上

テストステロンは、大脳に作用して前向きな思考や決断力を働かせる作用があります。男女問わず物事に対する気力ややる気を高めると言われており、精神的に大きな影響を及ぼします。また、快楽や多幸感をもたらしたり意欲を作ったりするドーパミンというホルモンの産生を促す働きもあり、怒りや不安などのネガティブな感情を落ち着かせて、精神状態を安定させてくれます。

逆にテストステロンが減少すると、気分が落ち込み、やる気が出なくなります。歳をとるにつれて気力や集中力が低下した、イライラしやすくなったと感じている人はテストステロンの低下が原因かもしれません。うつ病と症状が似ているため見過ごされがちですが、適切に治療することで改善する可能性があります。まずは、この記事で紹介する食べ物や方法を試してみてください。テストステロンを補充する治療もあるので、症状が重い人は一度受診するのも良いでしょう。

認知症の予防

近年、地域の住民を対象とした疫学研究や認識脳障害を持つ患者さんに対する観察研究などにより、血液中のテストステロンが低い人はそうでない人と比べて認知機能が低く、認知症の発症・進行が早いことが分かってきました。また、もの覚えが悪いマウスにテストステロンを投与すると、学習能力が向上することも明らかになりました。認知機能が低下した人にテストステロンを補充投与した例はまだ少ないものの、認知機能を改善させる傾向が見られているそうです。これらのことから、テストステロンは認知症の予防や改善に役立っているのではないかと考えられています。

このテストステロンによる認知機能の改善は、男性だけでなく女性でも報告されています。男性ホルモンが女性の認知症改善に役立つなんて驚きですよね。

このように、女性にとってもテストステロンは重要な役割をしています、さらに、意外かもしれませんが、男性ホルモンであるテストステロンは女性の場合卵巣で作られ、その場でアロマターゼという酵素によって女性ホルモンに変換されます。また、副腎や脂肪組織、筋肉でも男性ホルモンから女性ホルモンが作られることも分かっており、テストステロンは男性のみならず女性にとっても大切なホルモンだと言うことができます。

テストステロンを増やす食べ物

テストステロンを増やす食べ物

テストステロンは健康な身体と精神を維持するために重要な役割をしているホルモンだということがお分かりいただけたと思います。加齢に伴ってテストステロンの分泌量が減ると、体力や筋力が衰えたり、やる気や記憶力が低下したりします。そのため、若々しく健康な状態を保つためにはテストステロンを増やすことが大切です。ここからは、いよいよテストステロンを増やす食べ物について見ていきましょう。

誤解がないように最初にお伝えしたいのですが、食事からテストステロンを直接補うことはできません。食べ物から得られるのはあくまでテストステロンの合成を促進したり、減少を防いだりするのに役立つ栄養素ということになります。また、テストステロンは「増やせば増やすほど若返る」という魔法の成分ではありません。サプリメントや内服薬などでのテストステロンの摂り過ぎは、多血症や排尿機能障害につながるリスクも示唆されています。ここに挙げる食べ物を積極的に摂りながら、バランスのいい食事を心がけましょう。

羊肉

男性ホルモンであるテストステロンを増やすためには、まず良質なタンパク質を摂ることが大切です。タンパク質は様々なものに含まれますが、その代表例が肉料理ですよね。肉といっても牛や豚、鶏、羊など色々あります。中でも、ラム肉やマトン肉といった羊肉はテストステロンを上げるのに効果的な食材だと考えられています。

羊肉の特徴として、カルニチンが多く含まれていることがあります。カルニチンはアミノ酸の一種で、精巣を通じてテストステロンの働きを活発にする効果があります。テストステロンが標的臓器で作用するためには、テストステロンと細胞を結びつける受容体が必要です。カルニチンはこの受容体を増やすことができ、さらに受容体を活性化させる作用があるとされています。そのため、羊肉は良質なタンパクでテストステロン値を上げるだけでなく、カルニチンによってもテストステロンがより効果的に働くのを助けます。

牡蠣

牡蠣にはテストステロンを高めるビタミンB群やミネラル、特に亜鉛が豊富に含まれます。亜鉛の摂取量はテストステロンの合成量と深く関連しており、体内で亜鉛が不足するとテストステロンの合成や分泌が低下することが知られています。

1996年に、意図的に亜鉛を不足させた若い男性のテストステロン値を測る研究が行われました。その結果、亜鉛不足状態になった人では、テストステロン値が75%低下したそうです。また、高齢男性に亜鉛を補給した場合の影響についても調べられており、亜鉛の摂取量を増やすと、高齢者のテストステロンが約2倍に上昇することが報告されました。

日本人は亜鉛不足の傾向にあると言われています。特に、日頃からインスタント食品やコンビニ弁当をよく食べている人は、そこに含まれる食品添加物が亜鉛の吸収を妨げている可能性もあるので注意が必要です。亜鉛は煮たり茹でたりすると水分に溶けて出ていくため、鍋やスープにして汁まで飲むのがおすすめですよ。

ザクロ

ザクロジュースを飲むと、テストステロンに良い効果があると言われています。ザクロジュースとテストステロンの関係について調べた研究はいくつかありますが、ここでは2つ取り上げたいと思います。

まず、2008年の研究でザクロジュースは精子の質を高めると報告されました。あくまで動物実験の段階ではありますが、ザクロジュースを飲むことで、マウスの異常な精子の割合が減少し精子の運動性や濃度が改善することが分かりました。精子の質が高まったということは、精子形成に関わるテストステロンの質が上がったと考えることができます。また、ザクロには抗酸化作用があることも分かっており、ザクロジュースの摂取により抗酸化活性が改善されるとも言われています。抗酸化作用はテストステロンの産生に重要なので、ザクロはテストステロンにとって非常に頼もしい味方だと言えるでしょう。

2012年に発表された別の研究では、ザクロジュースがコルチゾールを減らすとされています。コルチゾールはストレスを感じた時に分泌されるホルモンで、テストステロンと逆のような作用を持ちます。ザクロジュースを4週間飲んだ人ではコルチゾールが減少したことから、ザクロジュースが間接的にテストステロンの働きを助けることが示唆されています。

ここで言及したザクロジュースは、砂糖不使用の100%ザクロジュースです。生活に取り入れたいと考えている人は、100%のものか確認するのをお忘れなく。ジュースではなく、サラダやスムージー、ヨーグルトに入れて食べるのも良いでしょう。

玉ねぎ・ニンニク

もっと身近な食べ物では、玉ねぎやニンニクがテストステロンを高めるという報告もあります。玉ねぎやニンニクにはアリインという無臭のアミノ酸が豊富に含まれます。これは、切ったり砕いたりすることで分解されアリシンになります。アリシンなどの硫化アリルは気化する性質があり、目の粘膜を刺激します。玉ねぎを切ると涙が出るのはこのためです。アリシンは体内でビタミンBと結合してアリチアミンという物質を生成し、これがテストステロンを上昇させると考えられます。

ラットを用いた実験で、新鮮な玉ねぎジュースを20日間摂取した群では摂取していない群に比べて精子の量や運動性が改善することが確認されました。さらに、血液中のテストステロン量も30%程度増加することが報告されています。ヒトにおける玉ねぎとテストステロンの関係については、玉ねぎの摂取量と身体状況の調査が行われており、玉ねぎの摂取量が多い沖縄県民ではテストステロンの材料となる「DHEA」の濃度が高いことが明らかになっています。

玉ねぎのアリシンは熱に弱いので、テストステロンを増やすためには生のスライスで摂るのがおすすめです。一方、ニンニクのアリシンは生のままでは逆にテストステロンを減らすとも言われているので、こちらは加熱してから食べるようにしましょう。

卵も栄養価が高く、テストステロン値を高める食品の1つです。「ロッキー」という映画の中で、主人公が生卵を一気飲みするシーンは有名ですよね。大量の卵を摂っているボディビルダーがいることもあり、卵は筋発達に役立つというイメージを持っている人も多いのではないでしょうか?

卵は良質なタンパク源です。肉や魚と同様に動物性タンパクを含むので、テストステロンを増やすのに役立ちます。また、卵にはセレンという微量元素も含まれます。セレンには抗酸化作用があり、肌や筋肉、血管の老化を防いだり動脈硬化を予防したりする効果があるほか、男性の精巣発達を促してテストステロンの分泌量を増加させることも分かっています。セレンが不足すると男性不妊症になる報告もあり、セレンとテストステロンの間に関連があることを示唆しています。

しょうが

しょうがはスパイスとして古くから使われてきたほか、漢方にもよく用いられており、複数の強力な抗酸化物質を含む食材として知られています。特に、しょうがの根は精巣や前立腺など複数の男性生殖器で抗酸化酵素の活性を高める作用もあります。さらに、しょうがは精巣の細胞損傷マーカーを弱めることも分かっています。これらのことから、しょうがは酸化ストレスを減少させたり抗酸化機構を強化させたりすることで、テストステロンの生合成を助けている可能性があります。

ラットを用いた研究では、しょうがのサプリメントがテストステロン産生増加につながるような生理的・解剖学的変化をもたらすことが発見されたそうです。このことから、しょうがはテストステロンのレベルや性機能に良い影響を与えると期待されています。

ヒトでの研究例は多くありませんが、75人の不妊症の男性にしょうがサプリメントを投与した結果、3ヶ月後にはテストステロン値が17%上昇することが報告されました。同じ研究で、精子の健康状態を測定したところ、精子数が16%増加するなど男性の機能にいくつかの改善が見られたのです。健康な男性や女性に対して、しょうががテストステロンにどのような影響を与えるかについてはさらなる研究が必要ですが、しょうががテストステロンを増やすのに重要な役割をしていることが示唆されました。

アボカド

女性に人気なアボカドですが、男性ホルモンであるテストステロンを増やすのにも役立ちます。アボカドには抗酸化力を持つビタミンEが豊富に含まれているからです。アボカド1個半には10mgのビタミンEが含まれており、血行を促進したりテストステロンの分泌を促したりする効果が期待されています。ただし、アボカドは多くの栄養素を含む一方で高カロリーな食材でもあるので、食べ過ぎには注意してくださいね。

テストステロンを増やす方法

テストステロンを増やす方法

ここまで、テストステロンを増やす食材についてご説明してきました。しかし、テストステロンが影響を受けるのは食事だけではありません。では、日々の生活習慣で食事のほかに何に気をつければテストステロンを増やすことができるのでしょうか?

運動・筋トレ

テストステロンを増やすためには、定期的な運動も必要です。特にテストステロンを増やすのに効果があるとされているのが、筋力トレーニングです。筋トレをすると筋繊維が切れ、それを修復する過程で筋肉が肥大します。この時、テストステロンがタンパク質の合成を促進するので、筋トレをするとテストステロンが増えると言われています。

また、テストステロンが効果を発揮するためには受容体と結びつくことが必要です。筋トレ後も、テストステロンは受容体によって運ばれ、細胞内で修復が必要な場所を見つけて切れた筋繊維を修復します。筋トレは、テストステロンだけでなくこの受容体も増やすことが分かっており、効果的にテストステロンの働きを助けることができます。

良質な睡眠

「睡眠は大事」とよく言いますが、ホルモンの分泌においてもやはり睡眠は重要な役割をしています。アメリカ医学協会の研究によると、睡眠不足が1週間続くとテストステロン値は最大15%も低下するそうです。テストステロンは夜眠っている間、特に夜中の1~3時に多く作られるため、その時間を睡眠時間に充てることが大切です。毎日6時間以上の睡眠を確保する、寝る前にブルーライトを見るのを避けるなど睡眠の質を高めることを意識してみましょう。

社会的な交流

人と交流し、社会活動することもテストステロン分泌に影響を及ぼします。テストステロンは社会性のホルモンと言われることもあり、周りの人から認められていると実感できている人、自分はここに所属していると思えるコミュニティーがある人、会社や地域で役割がある人で多い傾向にあります。自分が社会の一員として生きているという意識を持つことが、テストステロン分泌には大事だということです。

仕事を辞めた人や専業主婦の中には、社会的なコミュニティーから離れて生活している人もいると思います。当てはまると感じる人は、定期的に人と会うような場に参加するように心がけてみましょう。

正しい姿勢

姿勢がホルモンの分泌に影響を与えているなんて少し信じ難いですよね。姿勢を正したところで何も変わらないだろうと思う人もいるでしょう。しかし、アメリカのコロンビア大学で行われた研究で、肩をすぼめて猫背にしている時よりも、2分間姿勢を正している時の方がテストステロン値が高くなることが分かりました。また、ストレスを感じた時に出るコルチゾールが減少することも確認できたそうです。

背中を丸めて下を向いてばかりだと気分が落ち込むのは、気持ちの問題だけではありません。姿勢とホルモンには深い関係があります。うまくいかないときやストレスを感じる時ほど、胸を張って背筋を伸ばしてみてください。きっとテストステロンをはじめとするホルモンが前向きになれるよう助けてくれますよ。

最後に

いかがでしたか?テストステロンを増やす方法についてお分かりいただけたでしょうか?テストステロンは代表的な男性ホルモンですが、男性だけに分泌されているわけではありません。やる気を高めて前向きにしたり、認知症を予防したりするなど、女性にとっても大事なホルモンです。テストステロンが欠乏すると、筋肉量の減少や集中力の低下、イライラなどの症状が現れることが分かっています。テストステロンの分泌は加齢に伴って減少するので、若々しさを保ちたい人は積極的にこの記事でご紹介した食べ物を取り入れてテストステロンを増やしましょう。

また、食事以外にもテストステロンを増やす方法をいくつかご紹介しました。運動や睡眠などの基本的な生活習慣を整えることはホルモンの分泌にも良い影響があります。姿勢を正すなど少し心がけるだけで簡単に実践できることもあるので、ぜひ挑戦してみてください。若返りの源とも言えるテストステロンを増やして、いつまでもハツラツとした生活を送りましょう!

WRlTER この記事を書いたのは
ファースト登録コーチ K.M

現役東大生ライター M.K 家庭教師ファーストの登録家庭教師。東京大学薬学部在学。家庭教師だけでなく塾講師の経験もあり。