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「糖尿病」が多い都道府県ワーストランキングを現役東大生が解説

糖尿病が多い都道府県ランキング
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近年の新型コロナウイルスの話題で、「基礎疾患のある人は重症化リスクが高い」「基礎疾患のある人に優先してワクチンを接種する」という話をよく耳にすると思います。厚生労働省は、心臓の病気や肝臓の病気、がんなど9つの疾患を基礎疾患として定めています。そして、糖尿病はこの基礎疾患の1つです。

日本でも患者の多い糖尿病ですが、実は患者の数や死亡率に地域差があることがわかっています。そこで、この記事では糖尿病がどのような病気か解説した後に、糖尿病患者の割合が多い都道府県をランキング形式で発表したいと思います。皆さんの住んでいる地域はどうでしょうか?糖尿病が多い都道府県にランクインしているでしょうか?

糖尿病とは

最初に糖尿病について解説します。

糖尿病とは、簡単に言うと、血液中のブドウ糖が多い状態が慢性的に続く病気です。

私たちがご飯を食べると、栄養素の一部は糖として小腸から血液中に取り込まれます。食事などによって血液中のブドウ糖が増える、つまり血糖値が上昇すると、体は膵臓のランゲルハンス島β細胞というところからインスリンを分泌します。インスリンは細胞のドアを開き、糖を細胞内に取り込むのを手助けするホルモンです。血液中を流れた糖はインスリンによって肝臓や筋肉、脳などの細胞に取り込まれ、そこでエネルギーとして使われます。そうすることで、血液中のブドウ糖が少なくなり、血糖値が下がります。このようにして、私たちの体は血糖値を一定に保っているのです。

しかし、このインスリンが出なくなったり、出てもうまく働かなくなったりしてしまうと、血液中の糖は細胞内に入れず、エネルギーとして使えません。こうして、ブドウ糖が血液中にあふれる状態が続いていることを糖尿病と呼んでいます。

糖尿病とは

糖尿病の症状

糖尿病の初期症状としては喉が渇きやすくなる、トイレの回数が多くなり量も増える、空腹感が強くなる、体重が急に減り疲れやすくなるなどがあります。いずれも糖尿病の初期症状だとは気付きにくいですよね。また、これらの自覚症状はゆっくり進行するので、気づいたときにはすでに糖尿病が進行していたというケースも少なくありません。

さらに糖尿病が進行すると、手足がしびれたり、皮膚がかゆくなったり、ものが見えづらくなったりすることもあります。実は糖尿病の恐ろしさは合併症にあるとも言われています。糖尿病の合併症として代表的なものには、神経障害、網膜症(もうまくしょう)、腎障害があり、これらは糖尿病の3大合併症と呼ばれます。

糖尿病によって、末梢の神経障害が進行すると、温度や痛みを感じにくくなります。そのため、火傷やけがの原因となることも多いです。実際に、家でガラスを踏んで血まみれになっているのに痛みに気づかず放置して悪化した、心筋梗塞になったのに胸の痛みがないので気付かなかった、などという事例が発生しています。とても怖いですよね。

網膜症は、目の中の網膜という組織が障害を受け、視力が低下する病気です。網膜とは、目の中に入ってきた光を刺激として受け取り、脳への視神経に伝達する組織です。カメラで例えるとフィルムのような働きをしています。網膜症は放置すると失明にも至る病気で、緑内障に続いて日本での失明原因の第2位となっています。糖尿病が原因で失明なんて驚きでしょうか。

糖尿病で血糖が高い状態が続いて腎臓が傷むと、腎障害が起こります。さらに腎臓の機能が低下すると、透析治療もしくは腎移植が必要となります。透析治療は、人工的に血液中の余分な水分や老廃物を取り除き血液をきれいにする働きを腎臓に代わって行う治療です。糖尿病は、日本での透析導入原因疾患の第1位となっています。しかし、透析は健康な腎臓と全く同じ働きができるわけではないので、長い間透析を続けると他の病気を引き起こすこともあります。腎移植でも、移植した腎臓が拒絶反応などによって機能を失い、透析や再移植が必要な場合もあります。

糖尿病の分類

糖尿病の分類

糖尿病には大きく分けて1型糖尿病と2型糖尿病の2種類があります。

1型糖尿病

1型糖尿病は小児から思春期に多い糖尿病です。膵臓のランゲルハンス島でインスリンを分泌しているβ細胞が壊されることによって起こります。病状が進むと、自力ではインスリンをほとんど分泌できなくなります。そのため、生存のために注射でインスリンを補う療法が必須である、インスリン依存状態になります。

このβ細胞が破壊される原因はよく分かっていませんが、主に自己免疫が関わっていると考えられています。免疫は本来なら体内に入ってきた異物を認識して排除するための役割を担っています。しかし、これが正しく働かなくなり、自分の細胞を異物として認識して攻撃してしまうことで発症するということです。自己免疫が起こりやすい遺伝子の型を持った人に、ウイルス感染などによって免疫異常が加わって、β細胞の破壊が始まることが多いとされています。

2型糖尿病

一方、2型糖尿病は中高年に多い糖尿病で、世界的には糖尿病患者の約95%が2型糖尿病だと言われています。膵臓からインスリンを分泌できなくなる1型糖尿病と違って、インスリンの分泌量の低下に加えてインスリン抵抗性が関係しています。インスリン抵抗性とは、肝臓や筋肉などの組織がインスリンの働きに関して鈍感になるため、インスリンが分泌されているにも関わらず働きにくくなる状態です。

遺伝的要因だけでなく、生活習慣の悪化がインスリンの分泌低下やインスリン抵抗性を引き起こすと考えられています。

糖尿病になる原因

糖尿病になる原因

糖尿病の発症には遺伝的要因も関連していますが、それだけではありません。特に2型糖尿病は生活習慣病の一種であり、遺伝的要因に加えて生活習慣が乱れることで発症しやすくなります。

肥満と糖尿病

運動不足や食べ過ぎなどによって肥満になると糖尿病のリスクが上がると言われています。肥満によってインスリン抵抗性が上がるからです。

もう少し専門的な話をしましょう。肥満になって内臓脂肪が蓄積するとアディポネクチンというホルモンが少なくなることが分かっています。また同時にTNFαというホルモンが分泌され始めます。実は、このアディポネクチンはインスリンの効きをよくする効果があり、逆にTNFαはインスリンの効きを悪くします。そのため、肥満になるとインスリンの働きが低下した状態が続き、慢性的に血糖値が高くなるのです。

飲酒と糖尿病

アルコールに含まれるカロリーは1gあたり7kcalと言われています。脂肪に含まれるカロリーが1gあたり9kcalで、お酒はこれに次ぐ高カロリー食品です。また、お酒を飲むと食欲が増すため、同時に食べ過ぎにもなりやすいです。そのため、飲酒は肥満の原因となります。肥満と糖尿病の関係は先ほどお話しした通り。肥満になると糖尿病のリスクが上がるので、過度の飲酒習慣は糖尿病のリスクを上げると考えられるでしょう。

さらに、アルコールはアルコールの作用そのものによって血糖値に影響を与えることが分かっています。アルコールには肝臓の細胞に蓄えられているグリコーゲンの分解を促進する作用があります。グリコーゲンは分解されるとブドウ糖となるため、血中にブドウ糖が増えることになり、血糖値の上昇につながります。

喫煙と糖尿病

実は、たばこも糖尿病のリスクを上げることが国内外で言われています。日本の7つの研究を含めた25の追跡調査を統合した結果によると、たばこを吸う人は肥満や飲酒といった他の原因を調整しても、2型糖尿病に1.4倍もなりやすいと報告されています。また、喫煙本数が多いほど糖尿病にかかりやすく、禁煙した人ではリスクが下がることも分かっています。

たばこを吸うと糖尿病になりやすくなる原因は大きく分けて2つあります。1つ目は喫煙によって交感神経という神経が刺激されることで血糖値が上がるから、もう1つはたばこは体内のインスリンの働きを妨げる効果があるからです。「たばこが体に悪い」という話はよく耳にしますが、糖尿病のリスクも上げるとは驚きですね。

糖尿病患者の割合が多い都道府県

糖尿病患者の割合が多い都道府県

糖尿病がどんな病気か分かったと思います。では、いよいよ糖尿病患者の割合が多い都道府県ランキングワースト5を発表していきます。参照するデータによってランキングに少し差はありますが、ここでは厚生労働省の「令和元年国民生活基礎調査」に基づいたランキングを示します。

ワースト5位 秋田県

5位にランクインしたのは東北に位置する秋田県で、総人口に対して5.69%の人が糖尿病患者だと言われています。

秋田県で糖尿病患者が多い原因として、まず、冬の寒さが厳しいために運動不足になりやすいということが考えられます。雪国である秋田県では、冬の間は外に出て運動するよりも家の中にいる時間の方が長くなります。実際に春と秋の健康診断の結果を比較すると、秋田県では、冬を超えた後の春の方が肥満傾向が見られるというデータもあります。

また、秋田県は全国屈指の米どころとしても知られています。良質なお米と清らかな伏流水に恵まれ、美味しい日本酒を多く製造しています。伝統的な日本酒づくりを継承する老舗酒蔵も多く存在します。そのため、お酒を好む人が多いと想像されます。前述の通り、飲酒は糖尿病発症のリスクとなるため、秋田県で糖尿病患者が多いとも考えられます。

ワースト4位 北海道

4位は日本最北の都道府県、北海道です。総人口の5.76%が糖尿病患者だという計算です。

北海道で糖尿病患者が多い原因としては、まず、秋田県と同様に、雪国のため運動不足になりやすいということが挙げられるでしょう。北海道では農家や庭に畑がある人が多いです。春や夏は畑仕事で体を動かしますが、冬は家の中でテレビを見て過ごす時間が長くなる人も多いようで、冬の間の運動不足はやはり否めません。また、冬は寒いだけでなく路面が凍って危険なので、なるべく外出しなくて済むようにまとめ買いする傾向にあるようです。そのため、日常生活において体を動かす時間が減り、糖尿病のリスクを上げているのでしょう。

その他の原因として食生活が考えられます。気温の低い北海道では、ジャガイモの栽培が有名ですよね。生産量は全国1位で、日本全体の約80%を誇ります。ジャガイモはカロリーが低い上に栄養価が高く、北海道ではよく食べられています。

しかし、このジャガイモは食後高血糖を引き起こしやすい食材の1つとして知られています。実際に、ジャガイモを習慣的にたくさん食べる人ほど2型糖尿病リスクが上がることが調査によって分かっています。具体的には、4年間の追跡調査で、ジャガイモを食べる頻度が週に1回未満の人と比較して、週に2〜4回食べる人は発症リスクが7%、毎日食べる人は33%上昇したと報告されています。

さらに、調理法別では、ゆでる、つぶす、揚げるのうち、揚げたジャガイモが最も糖尿病発症リスクが高いこともわかってきました。研究者らは「ジャガイモ、特にフライドポテトの食べ過ぎは体重や生活習慣に関わらず、単独で糖尿病のリスクになる」と指摘しています。

気温が低く、ジャガイモを多く栽培してきた北海道では、ジャガイモの食べ過ぎによって糖尿病患者が多くなっているのかもしれません。

ワースト3位 岩手県

3位にランクインしたのは岩手県、またまた東北の都道府県ですね。人口に対して5.95%の人が糖尿病患者です。

やはり、冬の寒さが厳しい地方では運動不足から糖尿病になりやすいと想像できますね。秋田県や北海道のところで説明したとおりです。

また、寒い地域で糖尿病患者が多い理由として、もう1つは食塩の多い食生活が考えられます。気温が低い地域では、昔から体温を維持するために、塩分が多く摂取されてきました。また、今は冷蔵技術も発達してきて変わりましたが、冬になると雪に覆われて作物が育たなかった地域では、収穫した食料を塩蔵して保存していました。その味覚が現代にも継がれているため、東北地方を中心に寒い地域では味の濃い、つまり塩分の多い食生活が形成されています。

実際に、令和元年国民健康・栄養調査報告によると、東北地方の1日あたりの塩分摂取量は10.6g。厚生労働省が定めた1日あたりの食塩摂取量の目標値が男性で7.5g未満、女性で6.5未満ですから、大幅に上回っていることが分かります。

食塩は直接血糖値に影響を及ぼすわけではありませんが、過剰な塩分摂取は体重増加や高血圧の原因となります。結果として、インスリンの働きを弱めてしまい、糖尿病のリスクを上げると考えられています。

ワースト2位 香川県

少し意外でしょうか?2位は四国に位置する香川県です。5.96%の人が糖尿病患者です。

香川といえば讃岐うどんですよね。統計によると、香川県内にはおよそ900軒のうどん屋さんがあり、うどんの消費量は全国平均に2倍を超えます。なんと1人あたり2日に1玉はうどんを口にしているという計算です。実は、このうどんの食べ方が香川県の糖尿病患者の多さの原因ではないかと指摘されています。香川県ではうどんに天ぷらやおにぎり、いなりずしをトッピングして食べるのがメジャーです。こうした食生活が頻繁に続くと、栄養が偏るでしょう。炭水化物と脂肪の過剰摂取、また野菜の摂取不足が糖尿病の原因の1つだろうと考えられます。

さらに、香川県は公共交通機関が少なく、車社会になっています。車が主な移動手段であるため、駅まで歩いたり乗り換えで歩いたりといったことが少なく、運動不足になっていると考えられます。このような日常生活の特徴が糖尿病患者の数の多さにつながっているのかもしれません。

ワースト1位 青森県

糖尿病患者が多い都道府県ランキング、ワースト1位は青森県です。総人口の6.18%が糖尿病と診断されています。青森県は糖尿病による死亡率も全国1位で、ここ数年同じ傾向が見られています。もはや、糖尿病は青森県民にとって県民病と言ってもいいかもしれません。では、なぜ青森県でこんなにも糖尿病患者が多いのでしょうか?

まず考えられるのは、青森もやはり雪国ですので運動不足でしょう。平成7年から11年の国民栄養調査によると青森県の歩数の少なさは男女ともにトップクラスです。さらに、文部科学省の全国体力・運動能力、運動習慣等調査によると、子供の時から運動不足であることが分かっています。平成21年のデータでは、都道府県別小学生における日曜日の運動習慣ランキングは男性32位、女性36位、都道府県別中学生における日曜日の運動習慣ランキングは男性47位、女性46位です。

また、寒い地域特有の塩分の多い食事も考えられます。青森県では朝からラーメンを食べることも珍しくないそうで、実はカップ麺の購入量も全国1位なんです。ラーメンに含まれる塩分量の多さも糖尿病患者数ワースト1位に起因しているのかもしれません。

青森県は健康診断の受診率が低いことも知られています。そのため、糖尿病のリスクに気づけず、糖尿病になるのを防げなかったり治療の開始が遅れたりするのでしょう。早期に発見すれば進行を止められたはずの糖尿病も、健康診断を受診しないために見つけられないことが多いとも考えられます。

実は、青森県で2006年に行われた糖尿病の調査結果によって、青森県では全国と比較して糖尿病の病状が進行したケースが多いという実態が明らかにっています。その背景として、糖尿病の病状が重篤化してから生活習慣を改善したり情報を収集したりする患者さんが多いことが指摘されています。その結果、糖尿病の3大合併症と言われている、網膜症・腎症・神経障害を発症している患者の割合が全国と比べて高いという実態も浮かび上がっています。糖尿病患者自身の糖尿病に関する知識や理解が不十分なために、自己判断で糖尿病治療を中断ししまうケースも多く、これが合併症や死亡率の高さに起因していると問題視されています。

こうした結果を受けて、青森県では、平成30年から県民に糖尿病の正しい知識を身につけてもらうために「糖尿病リテラシー向上キャンペーン」を展開しています。このキャンペーンでは、高血糖によって起こる合併症の危険性や生活習慣の改善による血糖コントロールの重要性、糖尿病の治療継続の重要性などを子どもからお年寄りまで県民全体におもしろくわかりやすく伝えています。

糖尿病のリスクを高めるライフスタイルの都道府県

糖尿病のリスクを高めるライフスタイルの都道府県

糖尿病患者が多い都道府県は分かりましたね。次に、糖尿病のリスクが高い都道府県を見てみましょう。先ほど糖尿病との関連を示した「肥満」「飲酒」「喫煙」について、ランキングを見たいと思います。数年後には糖尿病患者の多い都道府県にランクインしているかも。あなたの住んでいる都道府県は大丈夫ですか?

肥満の人が多い都道府県

令和元年国民生活基礎調査によると、肥満症の通院者が最も多いのは沖縄県で総人口の0.69%です。佐賀県、愛媛県、京都府、山形県と続きます。

飲酒をしている人が多い都道府県

同調査で「毎日お酒を飲む」と答えている人の割合が最も大きいのは新潟県で、20.46%。日本屈指の米所、日本酒の生産地として有名な県ですね。美味しいお酒を作る地域では住民もよくお酒を飲むということなのでしょう。2位以降は秋田県、広島県、宮崎県、島根県と続きます。先ほどお示しした糖尿病患者ランキングからは、秋田県が多量飲酒者が多い都道府県としてランクインしています。

煙草を吸っている人が多い都道府県

同調査で「たばこを毎日吸っている」と答えた人の割合が1番大きいのは北海道。20.88%ですから、5人に1人が毎日たばこを吸っている計算になります。北海道で糖尿病患者が多いのはたばこも関係しているかもしれません。2位以降は福島県、青森県、佐賀県、岩手県と続きます。糖尿病患者が多い青森県がランクインしていることからも、喫煙と糖尿病の関係性がうかがえます。

糖尿病患者の割合が少ない都道府県

糖尿病患者の割合が少ない都道府県

ここまで、糖尿病患者や糖尿病で死亡した人、また糖尿病のリスクを高めるライフスタイルの都道府県をお伝えしてきました。では、逆に糖尿病患者が少ない都道府県はどこか気になりませんか?番外編として、少しだけお見せします。これも参照するデータによって少し異なりますが、ここでは、厚生労働省の令和元年国民生活基礎調査に基づいたランキングを示します。

糖尿病患者が少ない都道府県ランキング堂々の1位は滋賀県、総人口の3.96%が糖尿病患者だというデータです。その差は、糖尿病患者ワースト1位の青森県と比較すると歴然です。なんと、青森県では人口比で滋賀県の1.5倍強の糖尿病患者がいるということになります。

では、なぜ滋賀県では糖尿病患者が少ないのでしょうか?実はそのヒントが統計に表れています。同じく令和元年国民生活基礎調査によると、滋賀県は肥満症で通院する人の割合が最も少ない都道府県です。前述のとおり、肥満と糖尿病には関係が認められているので、肥満が少ない滋賀県では糖尿病患者も少なくなるのでしょう。

他にも、同調査で「毎日飲酒する」と答えた人の割合が滋賀県は全国34位、「毎日喫煙する」と答えた人の割合が全国42位と、糖尿病のリスクを高める生活習慣の人が少ない傾向にあります。さらに、総務省の社会生活基本調査によると、滋賀県はスポーツ行動率で全国5位にランクインしています。スポーツ行動率とは1年間の間にスポーツを行った人の割合を示した数値で、滋賀県民はよく運動をしていることがわかります。

このように、定期的に運動をして肥満を防いでいることや過度な飲酒や喫煙を避けることが、滋賀県の糖尿病患者の少なさに寄与しているのでしょう。

糖尿病患者の割合が多い国

日本での糖尿病患者が多い地域と少ない地域を見てきました。ここでもう少しだけ番外編、海外にも目を向けてみましょう。世界で人口に占める糖尿病患者の割合が大きい国はどこなのでしょうか?

2021年の世界の糖尿病有病率国際比較統計・ランキングによると、糖尿病患者の割合が最も大きいのはパキスタンで、人口の30.8%が糖尿病だと報告されています。約3人に1人が糖尿病ということなので、糖尿病患者がとても多いことがわかると思います。

パキスタンはインドの西に位置する国です。近年、急速な経済成長が進み、その影響で食生活が欧米化していることが原因として考えられます。欧米の食事はやはり脂肪や糖分が多いため、肥満を引き起こし、糖尿病のリスクにもなっているのでしょう。

最後に

いかがでしたか。全国的に患者が増えており問題視されている糖尿病ですが、患者の多い地域にはいくつかの共通点があることが分かっていただけたと思います。そして、その多くが身近な生活習慣の乱れと関連したものでした。

糖尿病は放っておくと合併症を引き起こす深刻な病気です。糖尿病の怖さを正しく知って、発症を防いでいきましょう。また、身近に糖尿病のリスクが高い生活をしている人がいたら、教えてあげてくださいね。糖尿病は早めに発見して早めに治療することで、悪化を抑えることもできます。健康診断を定期的に受診し、高血糖が分かった場合は「大丈夫だろう」という自己判断ではなく、きちんと治療を進めることも大事ですよ。

今回は糖尿病患者が多い都道府県ランキングワースト5を紹介しました。このランキングにあった都道府県に住んでいるかどうかに関わらず、規則正しい生活を送って日本全体で糖尿病患者を減らしていきましょう。

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WRlTER この記事を書いたのは
ファースト登録コーチ K.M

現役東大生ライター M.K 家庭教師ファーストの登録家庭教師。東京大学薬学部在学。家庭教師だけでなく塾講師の経験もあり。